野ざらし紀行

15.甲斐

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【芭蕉自筆影印】  甲斐の山中耳 立よりて  行駒の麦尓慰むやとり哉 卯月の末 庵耳帰りて 旅のつ可禮を者らす本と耳  夏衣いま多虱をとりつくさ寸 (甲斐の山中に 立よりて  行駒の麦に慰むやどり哉 卯月の末、庵に帰りて、旅のつかれをはらすほどに  夏衣いまだ虱をとりつくさず )...

14.桑名・鳴海・熱田

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【芭蕉自筆影印】  伊豆の國 蛭可小嶋の僧桑門  こ禮も去年の秋より 行脚志て遣る耳 我可名を聞て 草の枕の道つ禮尓もと 尾張の國まて 跡を志多ひ来り遣れば  いさともに穂麦喰ハん草枕 此僧 予に告ていはく 圓覺寺の大顛和尚  今年陸(?)月の初 迁(遷)化したまふよし まことや...

13.大津・唐崎・水口

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【芭蕉自筆影印】  大津尓出る道 山路をこえて  山路来て何やらゆ可しすみ禮草 湖水の眺望  辛崎能松盤花より朧尓て 水口尓て 二十年を經て 故人 に逢ふ  命二つ能中尓生太る桜哉 ( 大津に出る道、山路をこえて  山路来て何やらゆかしすみれ草 湖水の眺望  唐崎の松は花より朧に...

12.京都

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【芭蕉自筆影印】  京耳の本りて 三井秋風可  鳴瀧の山家をとふ 梅林    梅白し昨日ふや鶴を盗連し  樫の木乃花耳可ま者ぬ姿可那 伏見西岸寺 任口 上人尓逢(?) て  我可きぬ尓婦しみの桃の雫せよ (京にのぼりて、三井秋風が、 鳴瀧の山家をとふ。 梅林    梅白し昨日ふや...

11.奈良

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【芭蕉自筆影印】  奈羅尓出る道の本と  春奈連や名もなき山能薄霞 二月堂尓籠りて  水とりや氷の 僧能沓の音 (奈らに出る道のほど  春なれや名もなき山の薄霞 二月堂に籠りて  水とりや氷の僧の沓の音  ) 【句碑】 ①旧大和街道  伊賀市長田  R163三軒屋交差点~北...

10.伊賀上野

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【芭蕉自筆影印】  爰耳草鞋をとき 可しこに杖を捨て 旅寝な可らに 年能暮希連者  年暮ぬ笠きて草履者きな可ら と いひゝゝも 山家耳 年を越て  誰か聟そ歯朶尓餅於ふうしの年 (爰に草鞋をとき、かしこに杖を捨て、旅寝ながらに、年の暮ければ     年暮ぬ笠きて草履はきながら と...

9.桑名・熱田・名古屋

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【芭蕉自筆影印】  桑名本統寺 にて  冬牡丹千鳥よ雪能本とゝきす 草の枕尓寝あきて ま多ほのくらきうちに 濱の可多に出て  明本のやしら魚志路きこと一寸 熟田に詣 社頭大イニ破れ  築地盤多ふれ? 草村尓可くる 可しこ尓縄を者りて 小社の跡を志るし 爰耳石をすえ て 其神と名の...
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