2.富士

【芭蕉自筆影印】
 富士川能本とり越行尓 三ツ計なる捨子の哀氣尓泣有 この川乃早瀬尓可希て うき世の波を 志のく尓多へ春 露計の命待ま登 捨置けむ 小萩可もとの秋の風  こよひやちるらむ あすや志ほ連んと 袂より喰物な希てとをるに
  
 猿を聞人捨子耳秋の風い可に

い可尓そや 汝ちゝ尓悪ま礼多る歌 母尓うとま礼堂る可 ちゝハ汝を悪尓あらし 母盤汝をうとむ尓あらし 唯こ礼天尓して 汝か性乃つ多なき(を)な希

富士川のほとりを行に、三つ 計なる捨子の哀げに泣有。この川の早瀬にかけて、うき世の波を、しのぐにたえず、露計の命待まと、捨置けむ。小萩がもとの秋の風、 こよひやちるらむ、あすやしほれんと、袂より喰物なげてとをるに

 猿を聞人捨子に秋の風いかに

いかにぞや、汝ちゝに悪まれたるか、母にうとまれたるか。 ちゝは汝を悪にあらじ、母は汝をうとむにあらじ。唯これ天にして、汝が性のつたなき(を)なけ)

【句碑・俳文碑】
①富士市交流プラザ・平垣公園
 富士市富士町20−1

 猿を聞人捨子耳秋の風い可に
(猿を聞人捨子に秋の風いかに)
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【芭蕉訪ね地 ?】
①富士  富士山・富士川


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