【芭蕉自筆影印】
やま登より山城を經て 近江路尓入て美濃尓至る います山中を過て い尓しへ常盤の塚有 伊勢の守武可云介る よし朝殿に似多る秋風と盤 いつ禮の所可似多り遣ん 我毛又
義朝の心尓似多り秋の風
不破
秋風や藪も畠も不破の関
大垣尓泊り遣る夜ハ 木因可 家をあるし登す 武蔵野を出る時 野さらしを 心におもひて 旅立遣禮者
志尓もせぬ旅寝能果与秋の暮
(やまとより山城を経て、近江路に入て美濃に至る。います山中を過て、いにしへ常盤の塚有。伊勢の守武が云ける、よし朝殿に似たる秋風とは、いづれの所か似たりけん。我も又、
義朝の心に似たり秋の風
不破
秋風や藪も畠も不破の関
大垣に泊りける夜は、木因が、家をあるじとす。武蔵野を出る時、野ざらしを、心におもひて、旅立ければ、
しにもせぬ旅寝の果よ秋の暮 )
①不破の関跡
岐阜県不破郡関ヶ原町松尾148
秋風や藪も畠も不破の關
②いにしえの常盤の塚(常盤御前の墓)
岐阜県不破郡関ヶ原大字山中534
若宮神社付近Google Maps